こんな所にてのひら作家が!


 先日、太田の大学時代に他学部1コ上だったH氏と、久しぶりに会いましょうかという話になり川崎市内某所にて合流した。太田は今年大学を晴れて(?)卒業して上京したが、既に都内で就職していたH氏とは実に2年弱ぶりの再会であった。

 久方ぶりの再開で話も弾み、宴もたけなわとなった頃、H氏、おもむろに
「太田さんはビーケーワンの怪談大賞に投稿してますよね?」

太田とH氏は以前より某SNS上で所謂マイミク(何かマイミクって単語を書くのが恥ずかしいですな)関係にあるので、いつぞや太田が書いた日記をH氏がご覧になったのであろう。

太田「いやぁ、恥ずかしいアレは下手の横好きでして・・・」
H氏「実は私も投稿しているのです」
太田「えっ!ほんとうですか」
H氏「私のPNは林不木と申しまして・・・」

 ということで、灯台下暗しとはこの事であります。まだ太田が二十歳そこそこお肌ピチピチの大学時代、共通の友人を介して知り合ったH氏が、てのひら作家の『林不木』氏その人であったとは、この数年間全く知らなかった訳で、驚天動地、驚愕の事実が判明した訳であります。

 「林不木」さんってどっかで見た事あるなぁ・・・、「ビーケーワン怪談大賞傑作選 てのひら怪談」を家の書架から引っ張り出してみると確かにあった。林不木「神を見る人」、ああこの人がまさかH氏だったとは。続いて「てのひら怪談2」「てのひら怪談百怪繚乱篇」「週刊てのひら怪談」にも掲載されているし、他にも投稿作品がわんさかある。なんかもう凄い常連の実力作家だったのですね・・・。

 林さん、若輩者の私の創作をどうかこれからも温かく見守ってやってくださいまし。



番外編@最近(ここ3日で)買った漫画

花輪和一刑務所の前」1〜3巻。例の「刑務所の中」で大ヒット作家になった花輪和一先生の作品。刑務所に入る前(花輪先生は銃刀法違反で懲役三年喰らっている)の状況を克明に描きつつ、戦国時代初頭の鍛冶屋の少女を舞台とした時代漫画の世界が同時並行で進む、妙に生暖かい感覚の独特な読了感があり兎に角面白い。流石デティールの書き込み密度が凄い。刑務所に入って結果的にはよかったね、と言う感じに思えるから不思議。なんか人生どう転ぶか分かりませんなー。仏教的幸福観・人生観がテーマの一つであり、壮大な仏教漫画と言えよう。

落合尚之 「罪と罰」1巻から4巻。ドストエフスキーの同名原作を元に構成し、現代風に漫画化。当初特に興味はなかったが、伊集院光がラジオ(深夜の馬鹿力)で面白いと言うことだったので試しに一巻購入。確かに面白かったので最新刊(4巻)まで買ってしまった。多少強引な脚本だが、続きを読ませる力はあると思う。